こんにちは。上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。
「AIを使えば、社内でもできるはずだ」。最近、そう感じている経営者や管理者の方は多いと思います。実際、文章生成や画像生成のツールは誰でも触れるようになりました。ただ、そう思っていても、実際に手を動かす担当者が現れるかというと、話は別だと感じています。今日は、その理由について僕なりに考えてみたいと思います。
できるはずなのに、誰もやらない
これまでSNS運用の担当者がいなかった企業には、AIが登場した後も、やはり担当者は現れていません。「AIを使えばできるはずだ」と経営層が思っていても、実際にやる人がいない。これが現状だと感じています。
理由はいくつかあると考えています。
1.多くの方の利用は、チャットで質問して答えをもらう程度に留まっています。画像生成やエージェントを使いこなすところまで踏み込む人は少なく、コストもかかる割に必要性を感じにくいというのが実情だと思います。
2.デザイナーやコピーライターでない方がAIに記事や画像を作らせても、そのアウトプットの品質を判断できません。良し悪しを判断できる人がいなければ、内製化は進みません。
AIを使いこなす鍵は「仕様を決める」こと
僕自身がAIを使っていて感じるのは、AIを使いこなすコツは「仕様をはっきり定義すること」だという点です。これはプログラミングでいう「テストファースト」の考え方に近いと思っています。仕様が明確であれば、それに対する合否の基準(テスト)も同時に作れます。逆に、要件がぼんやりしたままだと、AIをうまく使いこなせません。
画像生成であれば、色味やトーンを言葉で説明するより、参考画像を一枚渡す方がよほど正確な仕様になります。文章であれば 「これはダメ」「これは良い」という合否の基準を先に決めておく。この「先に合否の基準を決める」という発想が、AIを使いこなせるかどうかの分かれ目だと感じています。
AIには今、本10冊分に相当するような量の指示を一度に渡せます。そんな量を指示として渡すことは困難ですが、1回のチャットで渡すような分量を渡すこととは大きく異なる使い方をする必要があるということです。仕様を詰めて正しくAIに渡せる人がいないことが、AIを使いこなせない一番の理由だと僕は見ています。
AIの育て方
では、何から始めればよいのか。難しく考えず、まずは口頭やチャットでAIに指示を出し、下書きさせてみることうら始めればよいと思います。
そのアウトプットに対して、違うと思ったら訂正する。ズレを感じたら、そのズレを指摘する。次に、AIに訂正された内容を復唱させて、理解が合っているか確認する。合っていたら、その正しいルールをMDファイルに書き込ませ、以後の作業では毎回それを参照させる。
気づいたこと、直したいことを記録し、AIに覚えさせる。まずはそこから始めてみてください。複雑な指示などは修正漏れやテスト漏れが発生することもあります。指示の複雑度によりテストは最大3回行うことなど動作も定義するとより安定します。トークンの使い過ぎにならないように工夫も必要です。
KEMBOの立ち位置
僕たちはこれまでも、SNS運用や制作業務、運営業務を含めてお客様のお手伝いをしてきました。ただ、KEMBOという会社の存在意義は、このような業務そのものにありません。中国市場に挑戦・進出している企業様の成長や成功を、デジタルの知見や経験、技術力でお手伝いすることが、僕たちの役割だと考えています。
これまでSNS運用ができる社内体制がなかったから、代行という形でお手伝いしてきました。もし「AIを使って業務改善をしたい」というお声があれば、僕たちはぜひその相談相手になりたいと思っています。
おわりに
AIが使えるようになったことと、実際に使いこなせる人がいることは、別の話です。仕様をはっきり決める、合否の基準を先に持つ。この考え方を意識するだけでも、AIとの付き合い方は変わってくると思います。




