こんにちは。
上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。
何かを調べるとき、検索ではなくAIに聞く人が増えてきました。「〇〇に強い会社はどこか」と聞けば、AIが回答の中で会社や商品を紹介してくれます。そこに自社の名前が出てくるかどうかを意識した取り組みが、GEO(Generative Engine Optimization、生成AI最適化)です。
KEMBOでもGEOのサービスを提供しています。今日は、手法の細かい話ではなく、GEOで何が大事なのかについて書いてみたいと思います。
大事なこと① AIに会社を正しく理解してもらう
一つ目は、AIが自社のサイトを読みに来たとき、正しく理解できる状態にしておくことです。
Webサイトには、人が見る画面とは別に、AIや検索エンジンに向けた情報を置いておくことができます。会社名、所在地、事業内容、商品やサービスの説明などを、AIが読み取りやすい形で各ページに用意しておく。これが土台になります。
ただ、これを置いたからといって、AIに引用されるわけではありません。実際に、こうした情報を追加しても引用は増えなかったという検証もあります。Googleも、AI検索のために特別な対策は必要なく、基本は従来の検索対策と同じだという立場です。
あくまで、AIが公式の情報を拾いに来たときに、間違いなく拾ってもらうための準備です。嘘のない、正確な情報を置いておくことが大切です。
大事なこと② 公開している情報を見直す
GEOの中心になるのは、ここだと思っています。
ここ数年、各社とも公式SNSの運営に力を入れてきました。弊社も同じです。一方でWebサイトは、名刺代わりの公式情報として持ってはいるものの、力を入れることが少なく、予算もSNSに回って減ってきました。
しかし、AIが読みに行くのは、基本的に公開されている情報です。Webサイトに書かれた情報は、AIによく引用されます。改めてWebサイトを見直す価値があります。
面白いのは、どのAIに引用されたいかによって、見直すべき場所が変わることです。
中国では、大手各社がそれぞれAIを出していて、SNSやプラットフォームの中にもAIが入っています。そうしたAIは、当然、自社のプラットフォームの中を見に行きます。中国の新榜智汇が、6つのAIの引用元4,600万件を分析した調査では、豆包(Doubao)は抖音(TikTok中国版)と今日頭条を、元宝(Yuanbao)はWeChat公式アカウントを多く引用していました。DeepSeekやKimiは、引用元が幅広く分かれていました。
つまり、中国では「WebかSNSか」ではなく、両方が情報源になります。Webサイトを整えたうえで、見られたいAIに合わせて、SNSやプラットフォーム上の公式情報も見直す。これが現実的な考え方だと思います。
大事なこと③ 自社の外での評価を育てる
AIは、自社のサイトだけを見て判断するわけではありません。
信頼されているサイトから、きちんと紹介されていること。しっかりした口コミやレビューがあること。こうした外からの評価も、AIが会社を紹介するときの材料になります。
中国であれば、百度百科(Baidu百科)のような百科事典サイトにきちんと掲載されていること、知乎(Zhihu)のようなQ&Aサイトにしっかりした回答があることも大切です。日本では、Wikipedia、note、Yahoo!知恵袋などがよく引用されているという調査があります。
ただし、不自然に言及を集めるような施策は、効果が限られるとGoogleも言っています。外での評価は、地道に育てるものだと思います。
大事なこと④ AIが使いやすい中身にする
AIがよく引用するのは、定義、数字、比較、手順がはっきり書かれたページだという調査があります。
もう一つ大事なのは、一般論ではなく、自社にしか書けない体験や知見があることです。どこにでも書いてある内容なら、AIはわざわざ自社のページを引用する理由がありません。
効果は、条件をそろえて測り続ける
GEOでは、効果検証をしっかり行うことも大事です。
AIの回答は、聞くたびに変わります。また、普段使っているAIは、それまでの会話や利用履歴をもとに答えることがあります。そのため、前情報のない新しい状態で聞かなければ、正しく測れません。
条件をそろえたうえで、実施前と実施後を比べる。その後も定点観測を続けて、データとして蓄積していく。1回聞いて「出た」「出なかった」で判断しないことが大切です。
実際に弊社で支援した、中国で事業を展開する日系メーカーの例では、権威のある外部メディアに情報を配信したあと、次のような変化がありました。
・サイトへのアクセスが、配信前のおよそ2倍に増加
・主力分野のキーワードでは、百度のAIとDeepSeekの両方で、推薦企業として上位に表示
・別の分野では、百度のAIでは上位に表示された一方、DeepSeekでは引用されず
同じ情報を出しても、AIによって結果が違う。だからこそ、AIごとに測って、次の手を考える必要があります。
おわりに
GEOは、特別な裏技ではありません。AIに正しく理解してもらう土台を作り、公開している情報を見直し、外での評価を育て、効果を測り続ける。地道な取り組みの積み重ねです。
KEMBOでは、日本と中国の両方のAIを見ながら、GEOの支援を行っています。自社がAIにどう紹介されているか気になる方は、お気軽にご相談ください。
参考
- 株式会社仁頼「GEO生成エンジン最適化|AI検索の実測データと否定された定説」(2026年8月18日)
https://jinrai.co.jp/blog/2026/08/18/geo-report-2026-08/ - 新榜智汇「豆包、元宝、DeepSeek、Kimi都在引用谁?」(腾讯新闻、2026年3月27日)
https://news.qq.com/rain/a/20260327A07MFW00 - Search Engine Journal「Google’s New AI Search Guide Calls AEO And GEO ‘Still SEO’」(2026年5月)
https://www.searchenginejournal.com/googles-new-ai-search-guide-calls-aeo-and-geo-still-seo/575026/ - Search Engine Roundtable「Study Says Adding Schema Did Not Improve AI Citations」(2026年5月13日)
https://www.seroundtable.com/study-schema-citations-study-41311.html




