こんにちは。
上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。
皆さんは、普段どんなAIを使われていますか。中国に駐在されているビジネスマンの方であれば、おそらく本社が指定しているGPTやGeminiなどをお使いのことと思います。それは当然のことです。一方で、プライベートでは違う環境を試している方もいらっしゃるかもしれません。今日は、僕個人が考えている「中国でビジネスをする方が気をつけておきたいAI環境の作り方」についてお話しします。
遮断のリスクは、誰にでも起こり得る
僕の知人に、日本人でAIをよく使っている方がいます。ネットワークの状況に応じてアクセスポイントを切り替えながら使っていたところ、ある日突然アカウントが停止されてしまいました。今年の7月の出来事です。
遮断の理由はサービス提供元の判断によるもでした。ただ、その方はそこから別のサービスへ移行することになり、丸2日間、ほぼ徹夜で作業を続けたそうです。使い慣れた環境が、ある日突然使えなくなる。中国でAIを使う以上、この可能性は頭の片隅に置いておいた方がよさそうです。
データを置く場所という、もう一つの前例
中国で活躍されている、あるグローバル企業の例です。デザインやサイトの作りは世界共通にしつつ、会員情報などのデータベースだけは、中国国内で完全に独立させて構築しています。他の国では一つの共通データベースで運用しているところを、中国だけは別に切り出している。これは中国のデータに関する法律を踏まえた、ごく自然な対応です。
AIサービスに入力する情報についても、同じような扱いが求められる場面が出てくるかもしれません。今すぐどうという話ではありませんが、こうした前例やデータ越境の法律があることは事実です。
「データを中国に置いて大丈夫か」という不安について
一方で、中国のAIサービスを検討すると、「入力したデータが、どこかに使われてしまうのではないか」という不安を持つ方も多いと思います。
これは自然な感覚です。ただ、GPTやGeminiなど西側のAIサービスにも、入力内容を学習データとして使わない設定が用意されているのと同じように、中国のAIサービスにも同様の設定が用意されている場合があります。利用規約や設定画面で確認できることが多いので、気になる方は契約前に確認しておくと良いと思います。
備えとして、AIの使い分けに慣れておく
僕自身は、西側のAIと中国のAIの両方を、普段づかいの中で併用していて、場面に応じて使い分けています。中国のAIはエンジン部分(AI自体)の提供に留まり、画面(UI)が無いことが多く、APIでの従量課金で使うたびに費用は発生します。Claude CodeなどCLI(Commad Line Interface)に慣れている方であれば使えると思いますが、Claude CoworkやGTP Workの方は慣れないかもしれません。最近はDeepSeek Harnessというブラウザから操作できるモデルも出たので一部解消されていますが、前述のアプリモデルとは出来ることや操作感が異なります。この話はまた別で掘り下げても良いかもしれません。
また僕はどのAIモデルを使っても同じ環境で使えるようなマルチAI環境を構築しています。企画や文章チェックなどの壁打ちはClaude、デザインはGPT、サブエージェントを動かすような調査や長時間の処理はDeepSeekを使っています。マルチAI環境を作ってしまえば、このように用途により切り替えが可能ですし、前述のリスクにも対応できるようになります。マルチAI環境に関しては別記事で纏めます。
こうした環境に日頃から慣れておくと、もし一方が使えなくなっても、業務を止めずに済みます。AIに依存している中国駐在ビジネスマンこそ気に留めて頂ければと思います。
おわりに
本社の方針でAIを一つに絞って使うことは、何もおかしなことではありません。ただ、中国でビジネスをしていると、環境が変わる場面に出会うことがあります。そうなったときに慌てないよう、日頃から中国のAIにも少しずつ触れておく。それくらいの備えを、僕は大切にしています。




