中国SNS RED BOOK

中国SNS運用でよくある誤解について

こんにちは。上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。

これまでAI活用の話を続けてきましたが、今回は少し話題を変えて、中国のSNS運用についてです。日系企業が中国でSNS(RED/小紅書など)を運用するとき、よく起きる誤解をいくつか紹介します。

誤解①:フォロワーが伸びない=失敗ではない

一番よくあるギャップは「人口に対してフォロワー数が伸びない」というものです。

REDはWeiboやX(Twitter)と違い、フォロワーが伸びにくいプラットフォームです。同じ方でもX(Twitter)で50万フォロワーいる方が、REDだと5万人ということも珍しくありません。プラットフォームの特性としてそういうものだ、という説明をするしかない部分です。

事前の競合調査を通してお客様の現地担当者にはご理解いただけているのですが、いざ日本本社にレポートを提出した際に「全然伸びていないじゃないか」と指摘され、理解していたはずの現地担当者が困ってしまう、というケースがよくあります。REDでのフォロワーの伸び方は、他のSNSとは前提が違う。ここは先に共有しておきたいポイントです。

誤解②:「月◯本配信」が正解とは限らない

もう一つの誤解は、SNS運用は「月に何本配信する」という一律のノルマで考えてしまうことです。

グローバル大手のビューティーブランドの公式アカウントであれば、きちんと制作したムービーや質の高いコンテンツを、新商品情報などに合わせて不定期に配信する形が向いています。「月何本」というノルマに縛られないイメージです。

一方、客単価が比較的安い消費財、例えば飲料や食品であれば、スタッフによる食べ方の紹介のような、自由度が高く試しやすいコンテンツを展開できます。

ブランドや商材によって最適な運用スタイルは変わるので、「月何回固定で配信する」という運用が正解とは僕は思っていません。

誤解③:インフルエンサーは使えば伸びる

「インフルエンサーを使えば伸びる」というのもよくある思い込みです。成功する例もあれば、伸びなかった例もあります。

日本企業と中国企業では、広告費の規模感が全く違います。KOC(Key Opinion Consumer、比較的小規模なインフルエンサー)を起用する場合、日本企業が「5名起用しよう」となるところを、中国企業は「100名起用しよう」となるイメージです。

100名規模で起用すると、その期間中、特定のキーワードや関連コンテンツを見ているユーザーのタイムラインを、起用したKOCで埋めることができます。これはSEO対策(検索対策)としても機能します。一方、5名だと、その5名のフォロワーには普段よりよく見てもらえたという意味では成功かもしれませんが、公式アカウントのフォロワー増や全体の成果にはあまり反映されません。目的は達成していても、数字には出にくいということです。

誤解④:見るべき指標を取り違える

成果を見るときの指標も、商材によって変わります。

美しいものやクリエイティブなものが好きなユーザーをターゲットにする商材であれば、「お気に入り(コレクション)」の数や比率を見ることが重要になります。逆に、その場で見て「いいな」と思って終わるようなライトな記事は、お気に入りはされにくくても「いいね」が多くつく傾向があります。フォロワー数やいいね数だけを一律に見るのではなく、商材に合わせて見る指標を変える必要があります。

日本のコンテンツをそのまま中国展開できるケースもある

ここまで「日本の感覚のままでは通用しない」という話をしてきましたが、実は逆に、日本で作ったコンテンツをそのまま中国展開に活用できるケースもあります。むしろハードルは高くないと感じています。

日本での配信に追いつく形で、そのまま中国でも配信するという、フルアウトソーシング型の運用を実際にされているお客様もいらっしゃいます。日本で作られたコンテンツは品質が高いことが多く、このパターンはWin-Winになりやすいです。弊社としても運用費を抑えることができます。

向いているのは、分かりやすくて言葉が少ないコンテンツです。商品の写真をきっちり撮っているようなものや、日本に特化しすぎていない情報であれば、中国向けに作ったコンテンツと差が出にくくなります。文字だけ差し替えれば配信できる漫画コンテンツなども、この意味では配信しやすいです。

おわりに

中国は人口が多く、REDのユーザー数も日本の人口をはるかに超えています。ですが、だからといってその分だけフォロワーが増えるわけではありません。どちらかというと、コアなファンが見てくれる感覚に近いです。

これは日本のInstagramも同じだと思います。友人の投稿は見ても、企業の公式アカウントはよほどのファンでない限りフォローせず、欲しくなったときに自分で調べればいい、という行動を取る方が多いのではないでしょうか。

すべての商材・ブランドに共通する勝ちパターンはありません。商材によって、運用のやり方を変えていく。それが中国SNS運用の実感です。