中国にIT担当がいない?

中国の日系企業に、情シスがない 〜10名未満の拠点が抱える、本社との距離〜

こんにちは。上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。

以前の記事で、AIエージェントを使って自分の仕事がどう変わったかを書きました。今回は少し視点を変えて、僕がこれまで複数の日系企業とお付き合いする中で見てきた、AI導入以前の話を書いてみます。

中国拠点には、情シスがいない

情シスが無いというのは大げさな表現となりますが、日系企業の中国拠点は、10名未満で運営されていて、駐在員は1〜2名という会社が少なからずあります。業界にもよりますが、本社からすると「中国は1拠点」という扱いで、専門の情報システム部門を置くほどの規模にはなっていません。

何かIT面で困ったことがあると、日本本社に確認することになります。ただ、本社側は中国のネット環境について理解が薄いことがあります。日本と中国ではネット環境が大きく違うので、話がうまく噛み合わず、確認したきり進まない、ということもあると伺っています。

一方で、利用するPCやツールは本社と一定のルールを設けつつ、「中国のことは中国で判断してください」という企業様もあります。現地に任せてもらえるのはありがたいことですが、今度は現地にIT人材がいないため、結局は苦労している場面があります。

AI導入で、特にこの距離が響く

AI導入の場面では、これが特に響きます。「会社で法人契約しているので、Geminiを使ってください」と言われるケースはよく聞きます。使えないわけではなく、指定されたツール以外は禁止されている、という形です。チャットで質問する用途では困りませんが、エージェントとして仕事のデータベースを育てていくような使い方まで踏み込むには、この指定の壁が立ちはだかります。

情シスがいれば、こうした判断を現地で機動的にできるはずです。でも10名未満の拠点に、そこまで求めるのは難しいというのが実態だと思います。

裁量があるなら、むしろチャンス

Gemini・GPTなど本社指定の海外AIを中国から使うには、VPNが必要です。VPNを個人で契約していたり、会社として正式に契約していない状態のまま使い続けるのは、以前の記事でも書いた通りリスクがあります。

一方で、情シスがいない分、逆に「中国のことは中国で判断してください」と裁量が現地に委ねられている企業であれば、以前の記事で書いたように、中国製AIを導入し、業務で使ってみるという選択肢が現実的に取れます。

これまで、中国からGoogleやYouTube、Xが使えないことは、業務上そこまで致命的ではなかったと思います。ただAIに関しては話が違います。業務効率を大きく上げられますし、働き方改革という意味でも意義は大きいです。

一部でも裁量が現地に委ねられている企業にとっては、これはチャンスだと思います。中国でのAI環境・業務環境を、自社の手でどう作っていくか。そういう視点を持ってみるのはいかがでしょうか。

おわりに

中国に駐在されている担当者の方へ。仕事の相談という形でなくても構いません。情シスがいない中で困っていることがあれば、コメント欄に書いていただければと思います。中国独自の環境構築や、AI導入の支援も行っていますので、興味があればお気軽にどうぞ。