DeepSeek、V4.1 Flashを発表 〜Proは廃止、重みは非公開に〜

こんにちは。
上海KEMBO 総経理 CTO の佐々木です。

今日入ってきたニュースです。DeepSeekが「V4.1 Flash」を発表しました。北京時間2026年9月10日12時から新しい価格がすでに適用されています。あわせて、V4 Proは9月14日12時に廃止され、以降はV4.1 Flashへルーティングされる形になります。

「高速」「専門家」「識図」が1つに、アーキテクチャも刷新

これまでDeepSeekには、通常モードの「高速(Flash)」、より高精度な「専門家(Pro)」、画像を読み込める「識図」(V4-Flash-Vision-Exp、いわゆるVision Exp)という3つの使い分けがありました。V4.1 Flashは、この3つを1つのモデルに統合しています。

大きいのは、マルチモーダル対応の方式が変わったことです。これまでのVision Expは、テキストベースのモデルに視覚機能を後付けした「拡張パック」方式でした。V4.1 Flashはアーキテクチャそのものを刷新し、テキスト・画像・音声の入力を最初から一体化して処理する「ネイティブ対応」に変えています。質問の複雑さや画像の有無をモデル自身が自動検出し、必要に応じて視覚機能や高度な処理を起動する仕組みで、手動でのモード切り替えが不要になりました。コンテキスト長は100万トークン、パラメータ数は非公開です。

ライセンスが変わった。重みは非公開に

ここが今回、一番気になった点です。これまでのV4シリーズ(Flash・Pro・Vision Exp)は、いずれもMITライセンスでHugging Faceに重みが公開されていました。ダウンロードして自社サーバーで動かす、いわゆるセルフホストができたわけです。

V4.1 Flashは、今のところこの重みが公開されていません。DeepSeekの公式API上にのみ存在するバージョンです。

これは実務上、地味に効いてきます。データの国外移転規制がある組織では、これまでなら公式APIが使えなくても、重みをダウンロードして自前でサーバーに乗せる、あるいは第三者の推論サービスを使うという回避策がありました。V4.1 Flashは、少なくとも今回の内部テスト期間中は、この回避策が実質的に閉ざされています。

これが今後も続く方針なのか、時間差でHugging Faceに公開されるのかは、発表されたばかりで分かりません。ただ、DeepSeekらしさの一つだった「オープンウェイト」から一歩離れた動きに見えるので、ここは今後も追っていきたいと思います。

価格は、8月の値上げから見ると値下げ

100万トークンあたりの料金を、閑散時・ピーク時で並べてみます(1ドル≒6.7元で換算)。

モデル閑散時(入力/出力)ピーク時(入力/出力)
DeepSeek V4.1 Flash(新)¥1/¥4¥2/¥8
DeepSeek V4 Pro(旧・8月改定)¥4.5/¥13.5¥9/¥27
Claude Haiku 4.5¥6.7/¥33.5(固定)同左
Claude Sonnet 5¥13.4/¥67(固定)同左
Claude Opus 5¥33.5/¥167.5(固定)同左
GPT-5.6 Luna¥0.7/¥4.0(固定)同左
GPT-5.6 Terra¥6.7/¥40.2(固定)同左
GPT-6 Astra¥33.5/¥167.5(固定)同左

V4.1 Flashは、8月の値上げ後(V4 Flash単体)と比べると全項目で値下げされています。ただ、値上げ前(出力¥2)の水準には戻っておらず、まだその2倍です。それでも、ClaudeやGPTの最安モデルと比べても安い水準です。

出力価格で見るとV4 Proの3分の1、同時接続数はProの5倍とのことなので、DeepSeekとしては「Proに近い能力を、Flashの価格で」使えるかどうかを見極めようとしているようです。

出典

おわりに

僕は今まで DeepSeek においては司令塔を Pro、作業者を Flash として使ってきましたが、Pro の性能を Flash が凌駕して Pro が廃止されるとのこと。すべて Flash 1本で、値段は Flash のまま頭脳は Pro という、非常に良いニュースでした。

もともと僕は API で利用しているので、そのまま使える環境も持っています。中国に住んでいるビジネスマンとして、これからも中国 AI に注目していきたいと思います。